九州、鹿児島県に視察に行ってきました。
○ 30日午後
知覧町にある、町立の特攻平和会館を視察いたしました。
「ホタル」の映画でも有名になった、特攻の基地があったところに関係者の努力により、歴史の真実を後世に伝えながら、二度と同じ過ちを繰り返すことなく、世界の恒久平和を誓う殿堂として建設されました。
小泉首相も訪問され涙を流したことが有名ですが、確かに、十代後半の少年たちが国の行く末を案じながら、敵艦に飛び込んでいった様を聞くと言葉が出ません。見事な筆字でかかれた遺書や手紙を読むと、あと2・3時間後には、間違いなく死んでいく人間が、それも少年がこれほどまでに冷静にかけるものかと、言葉に言い表せない思いがいたします。
あまりにも純粋といえば純粋ですが、私は、純粋なゆえにこうまでさせた軍国主義教育、国家主義教育の怖さというものを実感しました。彼らの貴い犠牲に報いる道はなにか、二度とこのような戦争を起こさないとことだと考えます。そのためには、一部にある国家主義的な流れを断ち切らなければなりません。説明していただいた職員の方は、「特攻を美化すること」は、この会館の本意ではない、とおっしゃっておりました。
この言葉を深く受けとめなければならないと考えます。
○ 8月31日(金)
午前中、鹿児島から屋久島へ飛行機で移動。あこがれの世界遺産の島、屋久島についにきました。
<フェリーが着く港をバックに>
午後から、屋久島環境文化村センターおよび屋久町立屋久杉館を訪問しました。
両所での視察から分かったことは、屋久島の世界遺産は手つかずの自然ではなく、杉という日本固有の樹木が、長い年月人間と共生しながら群生していることに価値が見いだされて認定になったということです。
<屋久町立屋久杉館>
島民が生活を営む上で、自然と共生することは当たり前のことで世界遺産登録は、あくまでもその結果にすぎないということです。
このことは、本県の見沼田圃や三富新田の保全について考える上で大きな示唆を与えてくれるものでした。
<世界遺産登録記念の碑をバックに>
<世界遺産登録記念の碑をバックに>
○ 9月1日(土)
午前中いっぱいかけて、「ヤクスギランド」「紀元杉」「千尋の滝」を回りました。
「ヤクスギランド」は、樹齢数千年の屋久杉を含む、屋久島の原生林を簡単に鑑賞できる場所として、昭和46年に開設され、昭和49年に自然休養林に指定されました。3年ほど前に、遊歩道を整備したことにより、千年杉や双子杉などの大木や、江戸時代の切り株などを見ながら森林浴が気軽にできるようになったそうです。
ちなみに、屋久島では、樹齢千年以上の杉を「屋久杉」といい、それ以下は「小杉(こすぎ)」というそうです。
<猿の腰掛けが生えてます>
<千年杉といいます>
私たちは、50分コースを歩きましたが、十分自然の奥深さを満喫できました。
コースはほかに、30分、80分、150分があります。
ただし、80分・150分コースは運動靴、登山靴が必要です。
私の横を若い女性二人が150分コースに進んでいきました。
<ここから先が、80分・150分コースになります>
見所の一つ、双子杉です。
私は、「スーパーネイチャーリングセンター」を提唱していますが、「ヤクスギランド」は、十分参考になりました。
「紀元杉」は、紀元前の杉という意味で、紀元杉と呼ばれているそうです。(写真・下2枚)
樹齢は、3000年と推定されています。日本の「国」より長いことになります。手軽に見られる屋久杉としては最大級になることから、多くの見学者が訪れます。
これは、道路に面した方です。
こちらは、白っぽくなっています。
しかし、裏に回ると、こんなに大きく、まだまだ元気です。
説明にあるとおりたくさんの樹木が寄生しています。
下から見上げるとこんな感じです。
「千尋の滝」は、140も屋久島にある滝の中でも有名なものの一つです。
写真の左手にある岩盤は、一枚の岩です。千人が手を結んだ広さとい うことでこの名が付いたそうです。
屋久島は、海底から隆起してできた、大半が花崗岩の島です。ですから、杉に土に生えるというより、岩に生えているといった感じです。岩を抱くように根を張るので、台風に強いといわれていますが、成長が遅く、その分樹脂が多く、倒れても腐らないそうです。我々の常識をうち破るような島でした。
野生のほ乳類は、猿と鹿がいます。猿は4000頭ほどいて、ぽんかんなどを栽培しているところでは、金網をはり、100ボルトの電流をいつもながして、猿が入ることを防いでいます。
紀元杉に行く途中でも、親子連れの猿などにあいましたが、これは、毛揃いをする野生の猿です。
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