落語会「拾年百日亭」の実現
彩の国さいたま芸術劇場では、提案を受け、平成10年4月より若手落語家によるシリーズ落語会「拾年百日亭」がはじまりました。

提案 ◇経過 実績

Q 「彩の国さいたま寄席」の創設/畠山清彦県議会議員
平成7年12月定例会/一般質問 より

彩の国さいたま芸術劇場は、芸術文化発信の場として、県民文化創造の拠点として平成6年10月オープン以来、数々の実績を上げてきました。明年度もシェークスピアという最高峰の舞台芸術を県民は味わうことができるようであります。
ところで日本の伝統文化であり、庶民芸術の粋ともいえるものに落語があります。 ご存じ、熊さん八っさん、与太郎に大家さんと出てくる話芸でございます。
芸術劇場でも毎年、寄席を開催しておりますが、米朝、志ん朝、小朝などの大御所お陰か9割を越える入りのようです。

「落語なんか演者が一人しか出てこないからつまんねぇ」という声に、志ん朝師匠は「一人でやるんだから聞き手が賢くなくちゃいけない、想像力が必要だから」と言いました。全くその通りで、例えば、噺家が上手を向いてしゃべれば「あたい与太郎」、下手を向けば「どうした与太郎」と大家になるわけですから、聞き手がその都度イメージしなきゃならない。落語を聞けば聞くほど「豊かな心」になるという塩梅です。

内容は与太郎ものから、長屋もの、怪談噺から人情噺と幅広いジャンルに何百というネタがございます。400年の長きに渡って生き残ったものばかりで、いずれにも庶民の人情と心意気が感じられます。温もりがあります。落語を愛する人間に悪人はおりません。

このように芸術性の高い落語も、最近では、芸の乏しい手っ取り早い笑いに追いやられております。しかし、日本が生んだ伝統文化を守ろうと今日も修行をしている若手噺家もおります。
私は、彩の国さいたま芸術劇場が芸術文化の発信基地の意義を持つことから、若手落語家の登竜門として、「知事杯争奪「彩の国さいたま寄席」(仮称)」を創設し、全国へ発信したらどうかと考えますが、総合政策部長にご意見をお伺いいたします。




A 「彩の国さいたま寄席」(仮称)について
武田茂夫総合政策部長

芸術劇場の発足以来、落語界を代表する方々を招いての公演を毎年3、4回実施し、いずれも好評を博しているところでございます。
さらに、来年度は、これまでの落語公演に加え、新たに若手落語家によりまして、十年間で百回の公演を目的とする拾年百日亭と銘打った公演も企画しております。ご提案の、若手落語家の登竜門となるような賞の創設については、この事業の中で検討してまいりたいと存じます。


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