ネパール支援
この支援の最終目的は、ネパールの人たち自身でシステムを運営することにあります。農業、林業、土木等の技術支援や教育交流、村おこしを通し、識字率の向上も併せて支援していくために、現在も調査や提言を続けています。

提案 経過 実績

Q ネパール識字率向上のための支援/畠山清彦県議会議員

平成7年12月定例会/一般質問より

知事は10月30日から3日間ネパールに行かれ、本県支援のネパール・プライマリヘルスケア・プロジェクトの成果もご覧になりました。私は、この支援の最終目標は、ネパールの人たち自身でシステムを運営する事にあると思うわけであります。しかしながら、ネパールの現在の識字率は、知事が訪問した70数カ国の中でも最も低い、男性で38パーセント、女性では13パーセントです。100人に87人の女性が読み書きできないのです。

当該プロジェクトの最終的な成功を収めるためには、識字率向上のための支援策も併せて必要と考えます。
そこで私は、2つ提案いたします。ひとつは、地方にあって優秀だが経済的理由で進学できない女子のために、全寮制の教員養成所をネパールに設置することであります。この建設費と運営費を県が出資したらどうでしょうか。

もうひとつは、(財)埼玉県国際交流協会に新たに「(仮称)識字率向上基金」を設置したらどうでしょうか。将来的には、アジア・アフリカの国々への識字率向上の支援にも活用できます。

私的で恐縮ですが、今から3年前、UNTACの要請でカンボジアの総選挙を成功させるために中古のラジオを集める運動を青年達と行ったことがあります。多くの県民の皆様のご協力を頂き、約2ヶ月で、全国の1割以上にあたる2万6千265台を集めることができました。中にはご主人の形見のラジオを提供されたご婦人がいらっしゃるなど、県民の皆様の国際貢献の真心に大変な感動をいたしました。
その後、私たちは世界の識字率のことを学びました。世界では約10億人の人たちが読み書きできないでいること、そのうち3分の2が女性であること、読み書きできないために、お母さんがわが子に農薬を飲ませ死なせてしまったなどの悲劇がたくさん生まれていることを知りました。
識字とは、単なる文字の読み書きだけではなく、基本的人権の最も重要な要素のひとつであると、そのことを知った私たちは、県内の方々に呼びかけ、書き損じたハガキを集める運動をいたしました。これも2ヶ月でしたが、換金して800万円ものお金をユネスコを通じてカンボジアに贈ることができました。学校を建てるとすると8つ建つそうです。

このように国際貢献の意識が高い県民の皆様のお力をいただいて、基金を設置し、その基金をもとにネパールの各群に学校を建てるのであります。ネパールでは約50万で1つ建つそうです。そして、女子教員養成所の卒業生にその学校で教えてもらえば、継続的で、しかも自分たちの手による自立のための識字率向上の支援ができるのではないでしょうか。




A ネパール識字率向上のための支援/土屋義彦知事

プライマリヘルスケアを支える女性の地域保健ボランティアの人たちにも字の読み書きができない人が多く、プロジェクト活動の普及・浸透においても、識字率の向上が重要であると伺っております。ネパールに対しましては、JICAをはじめ、民間レベルでも識字率向上のための支援を行っておりますが、本県といたしましても、今議会に補正予算のご審議をお願いしてございます調査団の派遣を通じまして、今後の対応等について検討してまいりたいと存じます。


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